高い営業スキルとは何か?

営業スキルを磨くためのヒント

顧客の問題解決パートナーに

今回は、営業でスキルアップを目指す人にヒントをご紹介したい。

1.顧客の問題解決パートナーになる
提案営業に不可欠なヒアリング力とは"関心力"だ。顧客の問題解決を担うというスタンスに立てば、もっと顧客のことを知りたくなる。顧客が何に悩み、何に困っているか、どんな問題があるのかを、まず知る。そしてプロの視点から提案する。
その際、自分の力を過信せず、会社の組織や情報をいかにうまく使うかが結果の成否を分ける。モノ売りではなく、顧客のパートナーというプライドを失わないでほしい。

2.ストレッチ・カスタマーと付き合う
営業経験を積むためにも、より多くの顧客と会うべきだ。最初から好き嫌いや選り好みをする人に成長はない。その中でも特に、自分を成長させてくれるようなレベルの高い顧客(ストレッチ・カスタマー)に挑戦したい。
その場合、一回一回の商談が真剣勝負になる。相手に「会ってもメリットがない」と思われたら、その時点でアウト。入念に準備して訪問し、反省して勉強するプロセスが、貴重な財産になる。

3.ロイヤル・カスタマーを育てる
営業の究極の目的は、自社や自分の信者(ロイヤル・カスタマー)を増やすことにある。信者の数は営業としての勲章。信者がたくさんいれば成績は安定し、月々の目標達成に困らなくて済む。
そのためには、目の前の顧客から「笑顔」と「ありがとう」をたくさんもらうことだ。それは自らの仕事の原動力にもなる。多くの顧客に信頼され、任されるようになれば、やがて"自信"という武器も手に入るだろう。

営業は顧客と喜びを分かち合える素晴らしい仕事。結果に責任を持つという点では最も経営者に近い職種かもしれない。プレッシャーに打ち勝つことで人間としても成長できる。ぜひ営業という仕事を通じて、人生をより豊かなものにしていただきたい。

ワンランク上の営業スキル

お客様にも個性(タイプ)があります。

今までの営業活動の中で、お客様とフィーリングがとても合い、あっと いう間に誓約に辿り着いたことはないだろうか?また、価格・提案内容ともライバルに勝っていたにもかかわらず、失注になってしまった経験はないだろうか? あなたに個性(タイプ)があるようにお客様にも個性(タイプ)があり、そこに原因が潜んでいる。今回はお客様のタイプ別対処法を紹介したい。

1.自己中心タイプ
自己主張が強いタイプであり、リーダーシップを取りたいと考えている。そのため、営業担当が商品知識をひけらかし、リードしようとする姿勢を嫌う。

<対処法>
商談では相手に決めさせるような流れを作り、最終的に自分で選んだと思わせることが必要である。あなたが自己中心タイプの場合は、自分をある程度抑えることが求められる。

2.社交タイプ
明るく楽天的で営業担当と話すことも苦にならない。また感性を重要視し、細かいことを気にしない傾向があり、周りから誉められたいという意識が他のタイプと比べると高い。

<対処法>
商品の詳細ではなく採用した際の効果を主に説明し、周りから賞賛される旨を伝えることが必要である。あなたが分析タイプの場合は、商談上で説明しようと考えている内容の50%を説明すれば十分である。

3.安全志向タイプ
今までと違うこと、周りと違うことをすることを嫌う。また他のタイプと比べると上司の目を気にする傾向が強い。

<対処法>
同じような成功事例を説明することが必要となる。とくにイメージしやすい身近な事例が効果的であろう。

4.分析タイプ
データを重視し、データに基づかない提案は信用しない傾向がある。

<対処法>
提案書の中にしっかりデータを記載し、順序だてて説明することが求められる。憶測でモノを言うと、決して信頼を獲得することはできないと心得ていただきたい。感性が強い、社交タイプの営業担当は注意が必要である。

「なぜ?」と「どうする?」を考えよう

「なぜ売れないのか?」「どうすれば売れるのか?」

営業担当者であれば、「なぜ売れないのか?」「どうすれば売れるのか?」をもっと考えるべきである。営業をしていれば売れない時は必ずやってくる。その時に原因自分論で「なぜ売れないのか?」「どうすれば売れるのか?」を客観的に考えて、原因を明確にし、すべての行動を変えることが必要である。

  • 「訪問件数は十分か(トップ営業と比較してどうか)」
  • 「訪問する会社はどうか(同じ会社にばかり行っているのではないか)」
  • 「面談者はどうか(決裁権のない人とばかり、商談をしているのではないか)」
  • 「提案している商品は?」「商談のやり方は(ピントが合った商品・提案をしているか)」など

それを週単位でテーマを定めて実行してみる。その繰り返しの中から、突破口は見えてくるはずである。考えるから気付くし、気付くから行動を変えられる。行動が変われば成果も変わる。

この「どうすれば売れるか?」を真剣に考えることは非常に重要で、これができていないと売れない時に自分で考え、自分で行動を変え、売上げを創る真の営業力が身に付かないからである。

しかし、営業というのは面白いもので、やり方を変えずにやっていても売れてしまう時がある。これが非常に厄介だ。このため、真剣に考えなくなっている営業担当者が多く、そして売れなくなった時に何の対策も立てられずに、長期間低迷する者が多いのであろう。

売れた時も売れない時もしっかりと要因・原因をつかみ、真の営業力を身に付けて欲しい。

「質問の技術力」を高めよう

質問力、ありますか?

1.トップセールスには"質問力"がある
「決して話が上手いから好成績なのではなく、質問が上手いから好成績を収めている」
あるリフォーム会社のトップセールスは、お客様の家族構成・勤務先・帰宅時間・ペット・趣味・農作物などのプライベートデータを驚くほど知っている。そして「どんなタイミングで、誰から順番に話をして、最終決定するのは誰か」、「お客様がこだわるポイントは何か」といったことも知っている。
これがトップである所以であり「顧客をどれだけ知っているか」がトップである裏づけであろう。

2.質問で相手にとって有益な情報を与える
クライアントの顧客を訪問すると、「ニーズを把握した上で提案をしてほしい」との声が大変多い。以下は実際の顧客アンケートからの抜粋である。

  • 営業担当者は大変熱心ですが、こちらの状況を聞かずに一方的な案内が多い。
  • 一つ困っていることを言えば、そこばかり繰り返す。
  • 頻繁に訪問してくれるが、忙しいので回数を減らして欲しい。メリットがあるような内容であれば、進んでお会いする

が・・・。

3.相手に"気付き"を与える
言葉数が少なかった面談相手が、何かの拍子に自発的に話し始めることがある。これは、何かが相手のツボにはまったからである。
【例】 ある住宅の営業で、お客様が外観(デザイン)・収納・内装・性 能の話ばかりで外溝(庭)の話が全く出なかった。そこで「庭にはのような木を植えますか?落葉樹?針葉樹?芝生はどうされますか?」と質問すると、お客様は外溝も重要な外観の一つであることにハッと気付く。
これは収集した情報を基に、さまざまな角度で「仮説」を立てることが必要である。
「安さ、早さ」で戦うことに限界を感じているセールスパーソンの方々は、お客様を知るため、自社の提供製品・サービスを再認識するために"質問の技術力"を高めることに努めていただきたい。

5Sによる営業力アップとは?

営業現場における5Sについて

5S=整理・整頓・清掃・清潔・躾

営業現場では意外と意識されていないことが多い。業績向上に向けた効率アップという観点から見た場合、やはり営業現場においても5Sの基本はなくてはならないものである。今回は、営業現場における5Sについて述べてみたい。

1.5Sの「心」を営業に活かす

5Sを推進していく上で必要なのは「心」だ。5Sの心とは、すなわち企業人(社会人)としての品性を表すものである。具体的には、

  1. 「整理・整頓の心」・・・思いやりの心、気配りの心、時間を大切にする心につながる。
  2. 「清掃・清潔の心」・・・けじめの心、物を大切にする心につながる。
  3. 「躾の心」・・・協調心、自律心、道徳心につながる。

2.営業現場から見た5S

業績を上げるためには、快適に仕事ができる環境を整える必要がある。

  1. 整理
    • 見込み客情報・・・成約の可能性が高まったか、後退したか、あるいは消滅したかをその都度更新しておく。
    • 営業ツール・・・常にレベルの高いプレゼンができるように、データは最新のものに更新し、グラフや表などを活用して、お客さまに対する説得性を高める努力をする。
  2. 整頓
     整理した情報や資料を常に共有し、いつでも、どの担当者でもすぐに利用できるようにしておく。
  3. 清掃
     職場(事務所・デスク)や社用車、鞄の中を常にきれいにする。
  4. 清潔
     清掃によってきれいな状態を維持する。

  5. ・社内でのあいさつや報連相を徹底し、チームワークを高める。
    ・お客さまに対してあいさつはもちろんのこと、約束したこと(取り決めや訪問時間)を必ず守る。

3.5Sの目的

実際の作業現場だけでなく、営業現場においても、なぜ5Sが必要かを考えなければならない。

  1. 生産性を高めるため毎日の業務の中で付加価値を生んでいる業務がどれだけあるか。
  2. 環境づくり・意識付け(仕事を円滑に行なうための手段)のため本来、目的を達成するための手段が、手段から目的化してしまっていないか。
  3. 仕事の標準化のためいつでも、誰でも、すぐにできるようにする。

"5S"をスローガンとして掲げる企業は多く見られるが、「言うは易し、行うは難し」である。各人が意識しなければ、なかなか徹底はされない。まずは自身の現場における"5S"を見つめ直してみてはいかがであろうか。

ヒアリング項目を絞り込もう

お客様のニーズ・ウォンツをとらえた提案を

今の時代の営業は、お客様のニーズ・ウォンツをとらえた上で提案をしなければならない。「自社の営業はニーズに合った提案をしている」という話を経営者からよく聞くが、本当にそうだろうか。

ニーズ・ウォンツをとらえるには⇒お客様へのヒアリングが重要

トップセールス
具体的にお客様のニーズや問題点を把握している

多くの営業社員
自分ではヒアリングができているつもりでも「肝心な内容が聞けていない→相手のニーズ・ウォンツが分からない→的確な提案ができない→売れない」といった悪循環に陥っている。

営業社員のヒアリング力・提案力不足改善策

  1. 質問項目の絞り込み
    あらかじめ必要な質問を12項目決め、最初の面談で必ず聞くことを徹底した。マニュアル化により、若手社員でも確実に必要事項のヒアリングが行えるようになり、またお客様のニーズ・ウォンツを早期につかむことで、2回目以降のアポイント率向上に成功した。
  2. 目的と手段を明確にする
    お客様から家を建てる夢を聞き出すことで、目的(夢実現)のための手段(家を建てる)という考えを徹底させた。お客様の目的を達成させるための手段としての商品提案を意識させることで、お客様の要望に即した提案を行えるようになった。
  3. 仮説による提案
    ニーズを盛り込んだ企画を3パターン用意し、「お客様のご要望はここに盛り込まれています」と1つひとつ確認しながら提案することで、お客様の納得を得ることに成功。3パターンの中からお客様に納得して選んでもらう方法で、受注数の向上につなげた。

これらの改善点はどの業界にも活かすことができる。まずは必要なヒアリング項目を検討し、お客様にとって有効な提案へとつなげていただきたい。

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