リーダーたるもの、前を見よ

人は変化できないことが赤字の原因とわかっていても、同じことを繰り返しているのである。

ある会社では3年間赤字続きで、このままのやり方・行動ではだめだとわかっているのに、今までと同じマーケット、同じ顧客、同じ商品、同じ行動、同じ提案をしている。

原因

  • 「どうせ何を言っても社長(上司)は聞いてくれない」。
  • 新しいことを実行しようとする時、「これは前例がないから失敗すると思う」。
  • 「こういった理由でできないと思う」といった、できない理由を主張するリーダーが多く生息している。

問題点をそのままにしておくから弱みになる。問題点を把握し、解決する仕組みを構築すれば強みに変わるのである。

対策

  • リーダーは、「どうすればできるのか」と考えていかなければ何も変わらない。
  • 今までしたことがないことを実行することで現状が変えられる。
  • できないと思われることにチャレンジするから差別化になるのである。

リーダーシップとは・・・
「今一番大切なことは何か」を的確に判断し、部下を前向きに動かし、結果として目標を達成させる総合力である。

リーダーのスキルアップとは?

創業者であるA氏のトップダウン経営で飛躍的に成長を遂げた。A氏は亡くなる直前、B氏を次期代表者に指名した。カリスマ創業者の背中を見て育ったB氏から聞いたのが、「人間万事塞 翁が馬(この世の全ての幸福や不幸は変転し予測できないことのたとえ)」 という言葉である。

リーダーは、ありとあらゆる場面でさまざまな危機に直面する。そのような状況になれば「もうだめだ・・・」と思い、マイナス発想になりそうなものだ。しかし、今起きている災いも長い目で見れば、良いのか悪いのかは分からないのである。

B氏は常に前向き・プラス思考で、リーダーとしての魅力にあふれているが、カリスマ創業者のマネはできないと言う。しかしB氏は1年中仕事のことを考え、「何をするか(どのような事業展開をするか)」もさることながら、「だれがやるか」と「人」にこだわっている。

そのため採用にこだわりを持ち、優秀な人材を採用しようと、志望者に対して自社の将来的なビジョン(会社がどこを目指して走っているのか)や求める人材像を語りかけている。

さまざまな新しい事業分野に挑戦し続けるB氏に学ぶべきポイントは次の3点にある。

  • リーダーとして常に前向き・プラス思考
  • リーダーとは常に問題意識を持って、最も考えている存在
  • リーダーの使命は、今の社員より優秀な人材を採用すること

B氏のリーダー論は一例であり、人それぞれに違ったリーダー論を持っているであろう。しかし共通して言えることは、
どの世界でも"一流"と言われる人は「常に勝ち続けるため」に今を賭けており、個人のビジョンが確立されているからこそ、逆境から逃げないブレない強さを持っているということだ。

経営者・経営幹部はリーダーとしての強さを備え、「感性」「バランス」「人間力」を磨き、スキルアップを目指していただきたい。

チェンジリーダーの条件とは?(その1)

ピンチをチャンスに変えることのできるリーダーを「チェンジリーダー」と名付けている。
通常、ピンチに遭遇したときにどのような対応をはかるかで、次の4タイプのリーダー像に分類できる。

1.PO(ピンチ・アウト)型
想定を超えるピンチ状況を迎えると、たちまち悪い結果を引き起こすタイプ。
リスクやクライシスへの感度が鈍く、修羅場体験も少なく、性格的にも弱い。
経営面では一極集中のスタイルが多い。つまり、得意先、商品、人材、立地、方法などが特定の部分に集中したままになっているケースだ。

2.PP(ピンチ・ピンチ)型
何とかしなければ危うい」と気付きながら、抜本対策が打てずに手をこまねいたまま、ジリ貧状態を招く優柔不断なタイプ。「ピンチだ。変えなければ」と口にするが、有効な実行具体策が出せない。
社歴の長い経営で、財務面での余裕があるケースに多く見られる。

3.PW(ピンチ・ダブルピンチ)型
行動力はすばらしく率先垂範で「良いと思えること」を矢継ぎ早に実行する現状認識力(問題の本質をつかむ力)が不足しており、成果につながらず、傷口を大きくしてしまうタイプ。行動優先の良き社風だが、構想力に欠け、右往左往する経営となる。

4.PC(ピンチ・チャンス)型
結果のみを求めすぎることなく、問題の本質を「原因→プロセス→結果」の流れでキチンと急所を押さえることができる。バランス感覚(大局観)と柔軟な発想力、さらに先見力を持ち、早めの対策を整然と打てるタイプ。
これが「チェンジリーダー」であり、ピンチをきっかけに組織のバージョンアップを成し遂げる経営を行う。

チェンジリーダーの条件とは?(その2)

ピンチをチャンスに変えるチェンジリーダーが備えるべき心技体は"3V"で表わすことができる。それはVenture、Value、Vitalityの3つのキーワードである。それぞれを充実する方法は次の通り。

1.心(Venture)ベンチャー魂というチャレンジ精神を持つ
攻め7割、守り3割。ゼロベース発想で挑む。そのために、

  • 「自分がやる」という覚悟をして退路を絶つ
  • リーダーとしての目的と使命をハッキリさせる
  • 「ピンチはチャンス」というプラス発想で臨む

2.技(Value)新価値創造のスキルをみがく
前例にとらわれず、活かすべき長所・特徴を明らかにし、柔軟にアイデアを発揮する。そのために、、

  • 3つの目を持つ(鳥・虫・魚の目~大局観・分析眼・変化眼~)
  • 実行優先でやってみる(60点主義に立ち、走りながら修正していく)
  • 他人の知恵、異分野に学ぶ(素直さを持ち、絆を大切にする)

3.体(Vitality)元気モデルとしての態度を示す
リーダーはいかなる時もメンバーを元気にする人。そのために、

  • 常に明るく元気な声・表情・態度を堅持する
  • 言葉選びに注意(本質を短く表わす)
  • 快食・快動・快心・快眠~一日決算主義~

「心→技→体→心・・・」と繰り返す。謙虚さと開き直りを両立させ、喜々として困難に立ち向かおう。「逃げない、投げない、諦めない」。「俺がやらねば誰がやる」の心意気だ。

リーダーの"仮説力とは?

QCストーリーや問題解決のために、「仮説の設定」という重要なステップがある。

QCストーリー

1.問題点の発生
 ⇒ 2.統計的データにもとづく問題点の実態分析
 ⇒ 3.問題の真因分析("なぜ"の5乗)
 ⇒ 4.あるべき姿の設定(問題点に対する正しい認識)
 ⇒ 5.仮説の設定(改善案・衆知の提言)
 ⇒ 6.メリットとデメリットの想定(検証)
 ⇒ 7.デメリットの対応策の検討(2次対策)
 ⇒ 8.改善実行プランの作成(ツール・スケジュール)
 ⇒ 9.実行推進(検証)
 ⇒10.歯止め策の策定

一番重要なステップは③問題の真因分析である。

なぜなら問題の真因をつかまない限り、どんな対応策を講じても根本的な解決にならないからである。

次に重要なステップが⑤仮説の設定(=仮説力)

「この問題に対して、もしこのような対策を講じたらどのようなメリットとデメリットが生じるのか」という「想定し得る状況設定」をすることである。

  • 再発に歯止めがかからない不良・クレーム対策に対する仮説、集客ができず業績が上がらない要因に対する仮説、いつも目標にあと一歩で達成できない要因に対する仮説。
  • 私たちの回りには常に「問題」と「要因(真因)」とそれに対する「仮説」が無限に存在する。

チームを動かすリーダーの基本とは?

リーダーが抑えておくべき基本を考えてみよう。

<基本1>事実を正しく把握すること(現状把握)

ポイントは、現実・現場・現品の三現主義で事実を掴むこと、鳥が空を飛んで全体から餌のありそうな場所を探したり、草むらに下りてきて虫を捕るかの如く、視点の高さをスムーズに調節することである。

<基本2>共通のモノサシを組織に浸透させること(価値判断基準を明確にし、組織で統一しておくこと)

ポイントは、共通のモノサシを現場が分かる言葉で理解・納得させることだ。組織は、経験や体験が異なる社員が集まったものである。共通の判断軸がなければ同じ方向に進めないのは言うまでもないだろう。

これができなければピント外れの対策を立ててしまう
一度あなた自身を振り返ってみよう。

部下の報告を鵜呑みにし、自分なりに事実を確認するステップを怠ることはないだろうか。

モノサシを浸透させずに毎回異なるその場対応を繰り返し、部下から信頼を失うようなことはないだろうか。

当事者意識が"ヤル気"を生む

組織のために働く社員を育てたいと思うなら

社員が「自分が組織を経営している」という当事者意識を持たせることが大切である。
当事者意識とは働いている社員が「自分が主体的に仕事を動かしている」「自分が経営者の一人だ」と考えること。
そのような意識を持つと、自社の業績や仕事に対してさらに能力を発揮する。

社員に当事者意識を持たせるためのポイント

1.自社についての情報を与える
できる限り、自社の業績や経営陣が決めた情報を社員にオープンにする。
また、自社の歴史や会社の取り巻く経営環境などを考えさせ、自社の全体像を理解させる。

2.自社がどのように業績を上げているかを理解させる
自社の業績がどのように上がっているのか、顧客はどのような価値を求めて自社の商品やサービスを利用しているのか、それらがどのように自社の業績と結びついているのか、を理解させる。

3.新たなことに挑戦する行動を奨励する
失敗のリスクを恐れるのでなく、そのリスクを冒して新しいことに挑戦することを褒め称える。

社員には
会社の方向性
何のために自分達が仕事をしているのか
自分の仕事にどのような意義があるのかを意識させること。

5匹の鬼を従えよう

5匹の鬼をテーマに各々の着眼点を再度整理して、マネジメントのヒントに供したい。

1.「塊」(ターゲットとする客層というかたまりの決定)
団塊世代、そのジュニア、元気シニア、ミドル、ギャルなどの生活者の層、また大手、中堅、中小、零細などの規模別法人層や業種別の区分け。さらにアジア、中国、インド、都道府県などのエリア別もある。

2.「魅」(ターゲットに訴求する自社の魅力ポイントづくり)
品質、納期、価格、機能、効用、サービス、システム、人材などの要素を磨きながら、他社との違いを打ち出す力点を決め再構築する。

3.「魂」(トップやリーダーが迷わぬ魂を込める)
上層部に迷いがあれば、チームパワーを発揮できない。不退転で臨めるように、現状認識力と判断力を高めながら全エネルギーを集中させる。

4.「醜」(社会に背く醜い行為を防止する)
法律、ルール、マナーを守り、守らせる公明正大な風土を培っていく。 「法律は守るのが当たり前」という考えを浸透させ続ける。

5.「魁」(他社にさきがけて着手し成功させる)
前例がないことに挑戦する勇気を持つ。成熟・衰退傾向を打破する「需要創造」への飽くなきフロンティア・スピリッツを奮い起こす。不便、不安、不快などの「不」に目を向けることで潜在ニーズ、ビジネスチャンスを発見できる。そして、すでに伸びている分野や新技術を自社に結合させることだ。

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