12月は保障協会審査がとおりやすくなる月?

12月は、実は保証協会の審査が通りやすくなる月です。
12月は、ふだんの3倍、保証協会に保証申込みがあります。

なぜなら、年越しを迎えるにあたって、資金繰りが安心である状態にしておこうと、融資を受けようとする企業が多いからです。

ただ、保証協会に申込みがたくさんあっても、一方で保証協会の職員数は変わりません。

ということは、一つ一つの案件を審査する時間が短くなってしまい、それだけ審査が甘くなりやすい、ということになります。

12月15日までに保証協会に書類が受理され、受付印が押されたものは、今年中に保証協会が審査をしてくれます。特に、今まで保証協会保証付き融資が反復利用され、延滞になってもいない企業は、すんなりと審査が通りやすくなります。

また、他に審査が通りやすい時期は、3月と9月。銀行の決算期と中間決算期であり、多くの銀行では、この時に融資量を増やしておこうとします。

※銀行に「15日までに保証協会が受領するように保証申込書を保証協会に送ってほしい」と、念を押しておく必要もあります。

このような、融資が受けやすい時期、というのを頭に入れておくと、融資を受けるにあたって多少は役に立ちます。

経営者に求められる財務センス

世界的にも株安が大きく進んでいて、機械受注統計・百貨店売上など、需要動向を読むシグナルからもマイナスサインが出ており、実体経済に暗い影を落としている状況の時は、銀行保有株の下落も進行しており、銀行が自己資本比率低下を恐れて「貸し渋り」や「貸しはがし」などに走る懸念がある。

この時期に経営者が恐れる点は、以下の3点であろう。

  1. 追加借入不能・返済資金不足
  2. 過剰在庫・過剰設備で資金が回らなくなる
  3. 取引先の焦げ付きが生じる

これらの中のどれかがきっかけとなり、経営危機に陥る可能性は十分にある。そこで自社の安全指標として、以下の点をチェックしていただきたい。

  1. 現金預金が月商の2カ月分以上あるか?
  2. 比較的現金化しやすいもの(上場企業の発行手形や株式)が3カ月分程度あるか?
  3. 上記1と2を足して5カ月分以上の資金準備があるか?

この3点を満たしていれば、極端な話、半年近く売上がなくても会社は潰れない。その間に対策を立てることができる。

経営者が最も早く着手出来るのは・・・「余裕資産の資金化」「原価・経費の徹底削減」であろう。

必要な時に必要な手を迅速に打てるということが、最も重要である。 この時期に逆に売上を増やそうと経営資源を投入させると、その為の投資・維持コストでさらに利益を圧迫する要因になりやすい。
経営者として必要な財務センスとは

  • 平常時から緊急時を想定し、資金を5カ月分以上は確保しておく意識を持つ
  • 危機に焦らず、早期着手が出来て効果的な所から順に支出を抑え、余裕資産の資金化を迅速に、徹底的に断行する

固定費カバー率を高めよう

一般的に企業の収益体質を図る指標としては損益分岐点があり、これを低く抑えることで不況対応力(高収益体質)が高まる。これとは別に「収益の安定度」を測る指標として「固定費カバー率」というものがある。今回はその解説をする。

  1. 変動収益
    スポット的な売上高で、金額・時期とも不確実な売上高(変動収入)
  2. 固定収益

    (1)固定売上高
    ベースとなる顧客(固定客)や商品(定番商品)からの売上高で、毎月あるいは毎年安定的に計上される売上高
    (2)固定収入
    家賃やロイヤリティなど、安定的に得られる収入

※これらの関係から、経営の安定を図るためには、できるだけ固定収益のウエイトを高めて、負担する固定費の金額をコントロールするのが良い。

この関係を指標化したのが固定費カバー率 固定費カバー率(%)=固定収益÷固定費

  • 自社の固定費カバー率は何%か?来期の計画では何%まで引き上げるのか?
  • どの固定収益商品をどれだけ拡販(開発)すれば、固定費カバー率が上がるのか?
  • 或いは、目標とする固定費カバー率を満たすためには、どの程度まで固定費を負担できるのか?

固定費カバー率の達成に向けて具体的な目標を立て、全社一丸となって取り組んでいただきたい。

ビジネスプランの工夫

起業や新規事業のプランを作るにあたり、損益分岐点や初期投資を抑えるため、もう一工夫することにチャレンジしよう!
実際のところ、まともに起業・新規事業のビジネスプランを立てようとすると、固定費や初期投資の負担が大きく、採算ベースに乗せることの難しさに圧倒されてしまうことも多い。

しかし、勝負のしどころは、そこからだ。工夫や交渉等により、固定費・初期投資の金額を下げ、損益分岐点を下げ、投資回収期間を短縮する。

ビジネスプランを評価する場合も、そのような工夫や交渉の可能性を十分に追求しているかどうかは、重要なポイントとなる。商売人としてのセンスが問われる場面だとも言えるだろう。

「セールスは断られた時から始まる」という言葉がある。ビジネスプランについても、「これでは採算が合わない」という状況から、本当の検討や練り上げが始まる。

売掛金管理を強化せよ

ある会社で、売掛金の回収が数カ月滞っていたにもかかわらず、商品販売を継続して行っていた。「売上計上されたものは入金されるのが当たり前」という感覚に会社全体が陥っていた。
やがて回収の滞っていた販売先が倒産に至り、大きな貸し倒れが発生することになった。
この事例は極端な例かもしれないが、売掛金回収に無頓着な企業が今でも多く見られる。

売掛金の回収業務は、すべて経理部や財務部といった管理部門が責任を負うと思われがちである。確かに売掛金の残高管理については管理部門の担当業務となるのであろうが、商品や製品を販売する部門である営業部門についても売掛金回収責任は大きい。

営業部門は販売することだけでなく、その代金を回収してこそ業務が完了する。
したがって、売掛金の回収責任は営業部門が負うことになる。
しかし売掛金回収の責任は営業部門にあるからといって、管理部門は何もする必要がないというわけではない。管理部門は帳簿の記入や金銭の出し入れだけでなく、社内の他部門との調整サポート機能とともに金銭面での社内牽制の役割を持つことを忘れてはいけない。

  • 営業部門・・・売掛金「回収」責任
  • 管理部門・・・売掛金「管理」責任

のように責任分担を明確にする必要がある。

各機能を細分化

  • 営業部門・・・販売と回収、販売先の経営状況や信用情報の入手、与信限度額の設定と与信管理
  • 管理部門・・・売掛金回収の出納と残高管理、売掛債権管理資料の提供、売掛金回収状況の調査

このように売掛金の回収・管理については、営業部門と管理部門それぞれが責任を持ちながら、協力し合う体制が求められる。

キャッシュフロー経営 入門

キャッシュフローとは?
「お金の流れ」であり、収入(キャッシュ・イン)と支出(キャッシュ・アウト)の差額がどのようになっているかを示すものである。

1年間の事業活動の結果、最終的にキャッシュフローがマイナス(現金収入<現金支出)となった場合、その要因を捉えていなければ、改善することは困難である。
キャッシュフローを捉えるポイント
(1)営業キャッシュフロー
利益(減価償却費などの非資金費用を除いた当期利益)に経常運転資金の増減(流動資産・流動負債の増減による現金の増減)を加えたもの。
(2)投資キャッシュフロー
設備投資(必要最低限の更新投資も含む)による現金支出や、固定資産の処分による現金収入。
(3)財務キャッシュフロー
借入金の調達や返済による現金の増減。

したがってキャッシュフローがマイナスの場合、まずはその要因を上記3つのポイントから捉えることが重要である。その上で改善すべきポイントを優先順位付けし、改善に取り組むのである。

例えば、営業キャッシュフローを改善しようと思えば、利益を増加させる以外にも、売上債権の回収強化、在庫の圧縮、営業外債権の削減など、さまざまな対策が考えられる。

これらの改善によって捻出したキャッシュフローを、将来への投資(人材育成費、商品開発研究費など)へ回すことで、より強い経営体質づくりが可能となる。

自社の資金構造を解明する

今や素材だけでなく人材も、市場は上昇基調にある。足元のコストをしっかりとつかむことはもちろん、1~2年後の市況を予測し、それらを営業部門へ常時フィードバックすることで着実な採算確保につなげていかねばならない。

と言うのも、原価管理の甘い企業で高収益を維持している企業は皆無であり、利益を出している企業ほど徹底されているからである。 以下は、一般的な原価管理(財務会計でなく管理会計)の手順である。

1)原価認識
中小企業でまれに原価が材料費・外注費だけのケースがある。製造業であれば生産現場の人件費や製造経費、卸売業であれば営業や配送部門といった直接売上げにかかわる費用を、販売費・一般管理費から売上原価に振り替えること(原価の管理対象として認識)がスタートである。

(2)材料費
直近の原材料や部品・副資材などの材料価格マスターを整備し、すでに価格変動が予想できるものは予定原価に織り込んでおく。直近価格、年間平均、期末予想など価格政策により異なるが、度重なる価格転嫁の要請を避ける上でも、より慎重な対応が求められる。

(3)人件費・経費
昨今の採用コストや賃金上昇分を織り込み、人件費予算を作成し、それを実働時間もしくは製品出来高時間(標準時間の累計)で除算し、時間当たり加工費を算出する。この際、大事なのはどの程度の操業率や稼働率、能率を見込むかである。
なお、製造業以外は単純に実働時間で除算したり、卸売業では物流費などの主経費を別に計算するなど、業界ごとに工夫が必要である。

(4)価格転嫁
「一律○%値上げ要求」というケースもあるが、とりあえずは自社モデル製品の予定原価を設定し、得意先別製品別に価格見直しを行っていくこととする。

(5)原価管理
最後に原価算定基礎となったデータも、コストテーブルとして管理しておきたい。コストテーブルとは、材料マスターや部門別賃率一覧、標準作業時間一覧などコストを決定する基準資料を一覧できる形に整理したもので、コスト見積もりを迅速にさせる、適正価格を判断させる、コスト意識を喚起してアイデアを誘導させる、などの効果をもたす。

自社の資金構造を解明する

業績が悪くなっても、企業は倒産しない。倒産する直接の原因は、資金ショートだ。
場合によっては、業績が向上していても、資金ショートにより倒産することもある。
そのため、財務諸表を分析する際は、企業の資金構造を解明しておくことが重要だ。ごく単純には、売上高の増減に応じて、どれだけ運転資金が必要なのかを調べてみる。

※小売業のように、日々、現金収入があるようなビジネスの場合、仕入れた商品に対する支払いは、数ヶ月先でよいので、手元に資金を確保しておくことができる。
とは言え、売上が増えている場合はよいのだが、売上が下降傾向になると、資金が逼迫してくる。売上が大きかった時点での仕入れへの支払いを、売上が減少した時点の資金で行わなければならないからだ。
タイミングがずれることにより、同一月内の収入と支出の根拠が整合しないため、そのような現象が起こる。

自社の資金構造を分析してみれば、資金繰りが成り立つための前提は何か、わかるはずだ。その前提が崩れたらどうなるのか。経営に携わるのなら、必ず考えておかなければならない。

現実的かどうかは別としても、収入と支出のタイミングや根拠を整合させた上で、利益が出るのかどうかを考えてみること。それらのズレを軽視していると、落とし穴になりがちだ。

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