リスケジュール

この質問、多くの経営者の方からいただきます。
そもそも銀行は、融資を行ったらその後、3カ月に1回は、試算表や銀行ごとの借入一覧は要求します。

融資先企業ごとに、ファイリングされ、その資料の中に、試算表を添付し、銀行ごとの借入明細を付けています。それを、担当の銀行員は3カ月に1回のペースで更新しなければならないのです。
それに基づいて、企業に、資料提出を依頼しているだけです。

だから、試算表や銀行借入一覧を要求されたことは、融資を受けている企業にとっては当たり前のことで、そのことだけで何も心配することはありません。

リスケジュール判断時期

銀行から融資が受けられず、一方で毎月の融資返済は大きい。そういう企業は、返済負担がとても重荷になります。
その場合、銀行と交渉して、毎月の返済金額を少なくしてもらう返済条件変更交渉、いわゆるリスジュール交渉を行います。

しかしリスケジュールには、資金繰りを一気に楽にするという大きなメリットがある一方、副作用もあります。

「リスケジュールを行うと、二度と銀行から融資を受けられなくなる。」
という大きな誤解が、中小企業経営者の中で蔓延していますが、二度と融資が受けられないわけではなく、リスケジュールを行っている間は、リスケジュールを行っている銀行において、融資が受けられないにすぎません。
「二度と」「一生」、融資が受けられないわけではありません。

リスケジュールを決断する前にまずは、取引している全ての銀行で、融資が受けられないかあたってみてください。

そして、全ての銀行で断られたり、融資が受けられたとしてもわずかの金額であったりすれば、そこでリスケジュールを決断するのです。

ある銀行がリスケジュール(融資返済を減額すること)に対してどのように対応してくるか、その一部抜粋です。

  • ビジネスローンのリスケジュールは半額までが限界。それ以上のリスケジュールを求めると、サービサーへ移行となる。
  • リスケジュールを求めると、関連会社のサービサー「●●債権回収」が窓口となる。それは交渉窓口が移るのみで、債権が売却されるわけではない。
  • リスケ進行中、昨年11月より適用し、今4月末をもって「期限の利益喪失」を図り、利息分を元金に内入れして行く方向を提案され、それに乗るようにした。その上で、最大限期間を考慮しても3年が限界。要は3年以内に不良債権処理を行うということです。●●●●●の場合、ほぼ同じようです。 
    本件は40億企業の場合であり、借入総額15億が裸与信であります。規模がもっと小さいければ、処理の速度は速まるものと思われる。
  • ●●4県のビジネスローンのリスケジュール担当は●●一人でやっています。リスケジュールは半額程度で5年程度で完済できる計画でないと受け付けてくれません。ただ、金額・期間とも『程度』なので多少幅をもった交渉は可能です。

リスケジュールを行うと二度と融資が受けられなくなる?

ある企業が毎月の返済額を減らして頂こうと思い、某地方銀行にお願いに行きましたところ、言われたことの回答です。

(a)これは一行だけではできず、融資行全行一斉にやらなければならない。
(回答)
これは、そのとおりです。理由はリスケジュールを行わない銀行があると、リスケジュールを行う銀行から見れば「なぜあの銀行はリスケジュールを行わないのか。」というように、不公平に見られてしまう。
というところにあります。またリスケジュールを行う銀行と行わない銀行とがあると、中途半端なリスジュールになります。毎月返済が300万円あったとして、それを一部の銀行でリスケジュールを行って150万円まで減額しても、はたして毎月150万円、支払いができるでしょうか。リスケジュールを行うのなら、全銀行、一斉に行うのが原則です。

(b)これは信用保証協会付の融資なので、リスケジュールをやったら今後一切信用保証協会付の融資は受けられなくなる。
(回答)
そのようなことはありません。信用保証協会付の融資において、「リスケジュール」は毎月の返済金額を抑えること、「代位弁済」は信用保証協会に、企業の代わりに融資残額を銀行に支払ってもらうことです。
そうすると信用保証協会に債権が移ります。代位弁済になると、代位弁済を行った融資を全額返済するまでは信用保証協会に保証を付けてもらって融資を受けることはできなくなりますが、リスケジュールまででしたら、将来利益が上がるようになって返済が再開したら、融資は受けられるようになります。

(c)返済の延滞が一ヶ月を過ぎると事故扱いになり、その場合でも信用保証協会付の融資は一切受けられなくなる。
(回答)
一ヶ月過ぎると自動的に事故扱いになるわけではありません。延滞となっても、リスケジュール交渉を行って毎月の返済金額を減額することに金融機関側が同意すれば、それは返済条件の変更という、事故でない状態となります。
ただ、リスケジュールを行っている期間中は、その銀行からは融資は受けられません。返済が再開したら、融資は受けられるようになります。リスケジュールを行うと「二度と」融資が受けられなくなるのではなく、「リスケジュールを行っている期間中」は融資が受けられなくなるのです。その違いはしっかりご認識ください。

関係会社がある場合とリスケを行っている場合の融資

<質問>

会社を二つ持っています。ひとつはリスケジュールをしています。もうひとつはリスケはしていません。この会社は日本政策金融公庫から2本借り入れがあります。
現在3本目を申し込んでおります。面談後三週間が過ぎますが、いまだ回答がありません。
銀行での融資ができるのでしょうかお尋ねします。
(有)B 卸売業 綱渡り状況 リスケ中
(有)H 美容室経営 債務超過であるが、ここ二年単年度では黒字で、今年度も黒字です。代表はどちらも私がしています。すると他の銀行へ融資を申し込んでもだめなのでしょうか、 (K様)

<回答>

まず、BとHは同じ代表者ということで、金融機関の見方とすれば、同一体、つまり同じ会社として見られます。まずポイントは、BとHが同一体として見られているのかどうか。例えば日本政策金融公庫でHの決算書を出しているが、Bは出さず、またその銀行でBの存在が気づかれていないのであれば、日本政策金融公庫はBだけを見て、融資審査を行うでしょう。逆も然りです。
また同一体として見られているとして、B社がN信用金庫でリスケジュールしていても、日本政策金融公庫や他の銀行で、リスケの事実が分からなければ、リスケが原因で融資を受けられないことはないです。決算書などの審査によります。

預金ロックに気をつける

リスケジュール交渉を行うには、その交渉を行う銀行の預金口座からお金を抜いて、延滞状況にしておく、のはセオリーです。

リスケジュールの希望を銀行に持ちかけると、たまに、銀行が自社の預金口座を動かせなくすること、いわゆる預金ロック、を行ってくることがあります。

※定期預金があるのであればそれも解約して抜いておかなければなりません。(定期預金の解約は、銀行から抵抗があるかもしれないですが、なんとかやりとげてください。)

リスケ交渉前にやっておくこと

  1. リスケジュール交渉を行おうとする銀行の預金口座は、お金を抜いておく。
  2. 連帯保証人の預金口座からもお金を抜いておく。
  3. 後でそれら口座からお金を振込されないように、売掛先などに振込口座の変更を依頼しておく。

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