キャッシュフローに関するノウハウ

会計データとにらめっこ

私の会社は7月決算で、平成25年7月期の売上・利益がどうやって成り立ってるかの分析はもちろん、部門別の会計を行い、データを分析しておりました。
そして、ずっと会計データとにらめっこしていました。

そのようにすると、利益をもっと大きくするにはどうすればよいか、見えてくるものです。
利益を大きくするための対策が浮かんでくるのです。

利益を大きくするためにもっともやらなければならないことは、経営者自身が会計データとにらめっこすることだと思います。

会計データのいろいろなところを見まくることにより、業績をアップさせるためのいろいろな対策が浮かんできます。
対策が浮かんできたら、あとはそれを実行するだけです。

資金繰りを良くする、銀行から融資を受けやすくするために、もっともとるべき対策は
業績アップです!

経理を行わない、いわゆるどんぶり勘定の企業は、自然と業績が悪くなります。経営者が会計データを見ることができないで、どうやって業績アップの対策が立てられましょうか。

業績アップのために、毎月、試算表を翌月の中旬ぐらいまでに作り、経営者が会計データとにらめっこして、対策を練るべきです。

赤字補填の借入の見分け方

資金調達には、大きく分けて2種類の性質があります。

  • 売上増加にともなう運転資金、生産力増強のための設備資金など、前向きな資金調達
  • 赤字で資金が減少していくにあたって、その補填のための後向きな資金調達

見分ける方法があります。

売上が増加していないことを前提として、決算期ごとに、借入総額が増えていっているかそうでないかを見ることによって、見分けることができます。

資金繰りが苦しくなったのは銀行のせいではないですよね。赤字を黒字にする対策を怠り続けた経営者の問題ですよね。

原因を他人(銀行)のせいにすると、経営者になんの反省も生まれず、その会社は改善、いや改革していくことはできません。 早めに気づいてください。

事業融資は「住宅ローン」ではない

中小企業経営者と話をしていると、銀行からの事業融資を、住宅ローンと同じ感覚でとらえている方が多いことに気がつきます。
何かと言いますと。
企業で借りる事業融資は、完済、を目指すべきではない、ということです。一方で、個人で借りる住宅ローンは、完済を目指してください。
多くの中小企業経営者は、銀行から融資を受けることを「悪」と考えています。
そういう経営者は、「無借金経営」を目指そうとします。
無理なのに無借金経営を目指すと、どうしてもギリギリの、現金預金保有量で資金をまわそうとします。

以下のAとB、どちらの会社が、資金繰りがまわっていて安全な企業、と言えるでしょうか。

A.現金預金 100万円 借入金 5,100万円
B.現金預金3,100万円 借入金 8,100万円
当然、Bの会社の方が、安全な企業、ということになります。

無借金経営を目指すと、現金預金が尽きる寸前まで、借入をせずに資金をまわそうとします。

現金預金がギリギリとなります。

しかし、融資は経営者が望めば、出てくるものではありません。
審査が通らなければ、どうでしょう。もうAの会社は、アウトです。

  • 事業を営むには、当然、運転資金が発生します。
  • 設備資金も発生します。
  • 売上が大きくなればなるほど、売掛金や在庫が多く発生します。それで資金が足りなくなり、銀行から融資を受けて資金を確保します。
  • このように、銀行から事業資金を受けているという状態は、企業が事業活動を行っていくためには「当たり前の状態」なのです。

無借金経営は、キャッシュフローをいかに大きくするか、という観点からしか、目指すことはできません。
無借金にしたいのなら、まずはいかに、利益を大きくするか、そちらを考えるべきです。それが結果として、無借金経営に近づいていくことになります。

キャッシュフローの簡易計算式は次のとおりです。
キャッシュフロー=利益+減価償却費
キャッシュフロー計算書を作れば正確なキャッシュフローが計算できますが、それが難しいのであれば決算書内の損益計算書を見て、上記計算式で計算してみるとよいでしょう。

キャッシュフローが返済額を上回ると、現金預金量は減らさずに、借入残高を減らしていくことができます。そうすると、無借金経営、に近づいてきます。
一方で、キャッシュフローが返済額を下回ると、返済が進むにつれ、現金預金量が減っていくことになります。

そうなった場合、新たな借入を起こせばよいのです。
企業は、銀行から融資を受けている状態が「当たり前の状態」なのです。

代表者の住宅ローンを返済猶予する場合の事業融資への影響

<質問>
代表者個人の住宅ローン(住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)より借入中)の返済猶予を申入れして、可能となった場合に、その後、代表者の個人保証が必須の、信用保証協会への法人借入れに影響は出るのでしょうか?
現在資金繰りが厳しいため、返済猶予法が施行されている間に、住宅ローンの返済猶予を申請し、代表者の給与を運転資金に充てたいと考えているのですが信用保証協会の借入れに影響するのであれば、無理なのではと思案中です。

<回答>
信用保証協会保証付融資の審査は、信用保証協会と、融資を出す銀行が行います。
その保証協会と、銀行に、代表者の住宅ローン返済猶予の情報が分かると、保証協会の保証審査、銀行の融資審査に著しく不利になります。
住宅金融支援機構の住宅ローンが返済猶予されている情報は保証協会に伝わることはありませんが、問題は銀行です。住宅金融支援機構の住宅ローンを返済している銀行と、保証付融資を申込む銀行が別々であれば、住宅ローンを返済猶予している情報が銀行に分かることはないでしょう。

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