業績先行システム

近年、「業績先行管理システム」導入の支援協力に携わることが増えてきた。先行管理とは、正確に先を読み、早く手を打つことである。先行管理の考えが定着した企業は強い。業種により異なるが、3カ月、6カ月、12カ月先の目標に対する差額を明確にすることで、ライバルより先に対策を打つことができるからである。

成功させるには、次の2点が大事

(1)継続は力なり
先行管理を導入しても、その効果はすぐに現れるわけではない。根気よく続けることが大切である。「1年目は何も考えずに、とにかく真剣に取り組んでみて下さい。2年目には先行管理の良さを分かっていただけるはずです。3年目になれば先行管理の素晴らしさを実感でき、4年もすれば先行管理の考え方が定着・習慣化します。『業績が悪いから、わが社でもやってみようか』という軽 い気持ちでは、導入してもムダに終わります。」

(2)「鬼」の存在
導入当初は、営業社員から「明日の数字も読めないのに、3カ月先なんて分かるわけないですよ」という声が上がり、真剣に取り組む姿勢が見られなかった。
しかし、A社には先行管理に明るいB営業部長という人がいた。B営業部長の強力なリーダーシップの下、フォロー・チェックの徹底により、今では先行管理が機能し始め、「目標は達成すべき数字」という意識が社員のなかに芽生え始めている。

先行管理の定着化は、ライバルより一歩先んじて行動するスピードを加速させる「強力な燃料」となり得るだろう。

業績革新のための費用と投資

業績をつくるための原則は。固定費を上回る限界利益を生み出すことで企業の業績はつくられる。すなわち、如何にして「固定費=費用をコントロールできるか」ということになる。

成長のカギはさまざまあるが、なかでも「費用と投資」の明確な使い分けが重要なカギではないだろうか。

2つのバランスが大切

  • 今の業績をつくる費用
  • 将来の業績をつくり上げるであろう投資

今だけでもいけない今の延長線上に未来がある。

今の業績をつくっている源泉は一体どこにあるのか、そして未来の利益をもたらせてくれる源泉をどうつくり上げるか、この2つの視点で現状の経営資源を見ていただきたい。

利益率アップ事例 売る用途

攻めの手段である"商品の用途変更"によって、限界利益を向上させた企業事例を紹介します。

<事例>
包装資材メーカーのT社は2年間で限界利益率を約17%アップさせた。では、T社はその2年で何をしたのだろうか。主な実施策は以下 の3点である。

1.モノ売りではなく、機能を売ることに徹底追求
T社は、従来の販売ルートである食品・菓子メーカーのうち、「箱詰め作業」に人手をかけている中堅・中小企業クラスに注目した。そこで徹底したマーケティングを行い、既存製品である紙箱を改良し、「組みやすく、元へ戻しやすい箱」として製品化した。

また、通常なら購買責任者に提案するところを、顧客の経営トップに対して営業活動を展開し、「アルバイト人件費の削減効果」を訴求ポイントに採用提案を実施した結果、多くの企業で採用されたのである。"紙"という機能特性を最大限にPRした結果である。

2.従来の常識を変えた
T社は次に、最終消費者へ目を向けた。通常、紙箱は製品を「包む」ものであるが、T社はそうした従来の紙箱の"常識"を覆し、「包む」から「その場で使用する」へと用途を変えたのである。具体的に言うと、保冷機能を持たせて飲料品などを持ち運べるようにした。

さらに、中身の飲料品を取り出した後に、イスや小さなテーブル代わりに使えるように改良したことで、消費者の支持を得た。「包む」から『使用する』への発想の転換が生んだ成功と言える。

3.紙でないものを紙化(100%紙製を提案)
T社が次に提案したのは、通常はプラスチックやアルミ、鉄などで作られる製品を、紙で製作することを提案したのである。具体的な事例としては、紙の机やイスなどの家具製品や、金具を一切使わない扇子などが挙げられる。

「用途を売る」には3つの商品用途を開拓すること

レベルアップ

  • 機能の追加と変更
  • 業界常識の打破
  • 市場なきものへの挑戦

劇的な利益改善の可能性を秘める「用途開拓」に、いま一度着目していただきたい。

限度主義の経営

戦後60年を経て、日本企業の大多数が事業承継期に突入している。

創業者から2代目への承継で"失敗"する中小企業が少なくない。

原因

創業者は・・・

  • カリスマ性
  • 会社の隅々まで理解
  • 経営のポイントを肌感覚で理解している
  • ゼロから会社を立ち上げた経験と判断力がある

二代目は・・・

  • 育った環境も過程も違う
  • 創業者と同じように経営をしようとするのは難しい

対策

  • 企業を存続させる上で、重要なこと
  • 組織経営であり、経営指標を用いた「限度主義の経営」を行うこと。
  • 限度基準を設け、経営に反映させることがリスク回避のカギとなる。

限度主義のポイント

(1)人件費の限度

人員について基準を持たないため、売上げが伸びると安易に人員を増やし、業績が低迷すると人減らしに苦悩する企業をよく見る。売上高と限界利益のバランスで人件費をとらえていないからである。人員については次のような限度基準を設ける必要がある。

  • 労働分配率(人件費/限界利益)の限度基準を設定し、その基準内で人件費をコントロールしていく。
  • 人件費増加率<売上高増加率<限界利益増加率<経常利益増加率<自己資本増加率という序列を守っていく。

(2)予算制度と予算統制

経費削減は利益に直結する。経費は目的でなく「手段」であるが、基準を設けなければ、気が付いた時にはムダな経費だらけになってしまう。
経営は限られた経費やコストで成果を上げることが重要であり、経費とコストの勘定科目を総点検して限度を設ける必要がある。そのため、限度主義に立った予算制度と予算統制を実施することがポイントになる。

(3)投資限度

特に装置産業の経営においては、投資効率が重要となってくる。投資の失敗が企業の存続に大きな影響を及ぼすため、慎重な投資判断が求められる。その判断基準としては、次のような限度基準を用いるのが良い。

  • 借入限度の設定......借入金依存率や月商倍率を超える投資はしない。
    例:借入金依存度(借入金/総資産)は30%以下、月商倍率3カ月以下
  • 3期連続赤字の事業は撤退する
  • 設備投資は減価償却費と経常利益の範囲内で行う。

クレームをチャンスに変える

クレーム件数の集計はされているが、「記録」が目的となっており、クレームが分析や改善に活かされていないケースが多い。

クレームは「企業の宝」

企業の体質強化を図ることができる。

お客さまからのクレームは、企業が見落としていた製品の弱点をユーザーや消費者の立場から教えてもらい、より良い製品作りのチャンスを与えられることだと言える。

クレーム処理の際のポイント

  1. 件数カウント基準
    発生件数を基準にカウントするのではなく、発生率と損害金額を比較基準にする。
  2. 原因の深堀り
    作業者自身に不良発生の原因について、「『なぜ』5回繰り返し」と「6W3H」で考えさせる。
  3. お客さまの納得を得られる有効な改善策の実施
    改善策を検討する際、その内容がお客さまの納得を得られるレベルかどうかの視点で検討し、作業者が無理なく継続的に実施できる内容とする。

気づきの大切さ

常識が足りない」社員の改善には?
「挨拶の重要性」から常識教育を教え込む。
できるまで徹底的に注意することが不可欠である。

「気づきの足りない」社員の改善には
「お客さまの大切さ」について、納得するまで教育することから始める。
「お客さま」という人は、こうしたことを嫌がる人だと"暗記"させるのである。

お客様の周囲を注意深く観察させる。
誰よりも早く気づき、誰よりも早く対応させる。
お客さまは感動する。

喜ぶお客さまを見て、自分自身も良い気持ちになることに気づく
ようやくお客さまに対する気づきの大切さを理解できる。

業績アップのための予算管理体制構築

予算と実績の差額や達成率を見ることだけが予算管理ではない。
予算の基本的な機能としては、次の3点が挙げられる。

1.計画機能 

企業経営全般にわたる経営目標を達成するために、現状を細かく分析し将来の活動や優先順位を決定する。

2.調整機能 

計画がバランスよく目標に向かって効果が発揮できるように調和を図る。

3.統制機能 

計画に沿って予算が効果的に運用されているか、目標と実績を把握・検討して差異を分析しながら改善措置を行う。

予算と実績との差異がなぜ生じたのかを分析して、今後の改善に結び付けることが大切です。

予算差異分析の手順

各予算項目に対する責任の明確化

予算と実績の比較と差異額の算定

差異の原因分析

今後の見通しと対策の検討

業績向上に向けた予算管理体制を構築

早朝清掃を徹底している企業の業績は良い

早朝清掃の徹底により得られる効果

(1)当たり前のことを当たり前にすることの重要性に気付く
企業の業績は毎日の積み重ねであり、一朝一夕にしてできるものではない。毎日の清掃を通じて、「当たり前のことを当たり前にする」ことで会社の業績が作られていることに、全社員が気付くのである。

(2)間違いを早く発見できる習慣が身に付く
清掃を毎日徹底することで「何が正しく、何が間違っているか」という価値判断が統一され、間違いを早く発見できる習慣が身に付く。これは経営トップからすれば、自分の目では見えない問題点が早く発見されるため、経営のスピードが上がることとなる。

(3)愛社精神が高まり「モノ」を粗末にしなくなる
毎日清掃を行うことで、「社有物を壊してはいけない」「会社を汚してはならない」という愛社精神が芽生える。ある特定のモノや場所をきれいにしておくと、人間は不思議とそのモノや場を大切にしたくなるものだ。これはほとんどの人間に共通した心理である。

(4)一体感づくりができる
全社員でローテーションを組み、会社の隅々まで清掃を行うので、全社員が必ずトイレ清掃を順番に行うことになる。ある特定の人だけがトイレ清掃を行うことはないので、社員の間で不公平感が少なくなり、社内に一体感が生まれる。つまり、全社員で業績に貢献しているという一体感づくりにもつながっていくのである。

(5)朝から足並みを揃えて、気持ち良く仕事に入れる
朝から清掃に集中することで、「きれいになった」という爽快感が全社員に伝わり、足並みを揃えて気持ち良く仕事に入れる。

人間である以上、朝のコンディションの良し悪しはさまざまである。その点を十分にわきまえて、清掃を行いながら足並みを揃え、心体両面のコンディションを整えていくのである。

企業の業績は毎日の積み重ねであり、一朝一夕にしてできるものではない。毎日の清掃を通じて、「当たり前のことを当たり前にする」ことで会社の業績が作られていることに、全社員が気付くのである。

営業部内メタボリックを解消しよう

メタボリックを解消するには運動し、食生活を変えて行動改善と体質改善が必要である。

営業部隊も同様である。営業コストは大きな固定費だ。営業社員の動きが悪くなると、経費・人件費・在庫・借入金・クレームなどが増え、営業社員の稼ぎだけで固定費をカバーできなくなる。粗利益(または限界利益)に対して、営業に関する固定費比率(体脂肪率)が上がってくる。

したがって営業部隊も行動改善・体質改善を実行し、稼ぎ高を増やして利益を増やすか、固定費を削るしかない。

営業社員が意識しなければならない数字は

  • 自分の必要稼ぎ高(粗利益または限界利益)を明確にすること。
  • 「自分の年収+間接部門の人件費+その他経費」を含めて、月にいくら稼がないと赤字になるかを明確にすることだ。
  • 業績不振を改善して体内脂肪を燃焼させ、筋肉体質(生産性向上)になるためには次の4つのステップが必要である。

1.現状認識
マーケット分析、業績分析、営業マネジメント分析、営業プロセス、行動分析、業務分析、商品分析、売上方程式の策定、営業動向による行動のギャップ分析、顧客分析、ライバル分析と勝敗要因分析

2.勝てる場と新しい勝ちパターンの発見
ボトルネックの解消(営業プロセスのボトル)、売れている営業社員のパターンの整理と共有化、先行管理システム・見える化の導入、ターゲットの選択、営業行動基準の数値化

3.決めたことを着実に実行するための組織体質改善
考え方を統一し、途中であきらめたり、方法を間違ったりしないために全営業社員に対してマネージャー研修、営業社員研修などトレーニングを実施

4.新しい勝ちパターンの実施、新マネジメントによる進捗管理

基本通りが業績につながる

基本がなっていなくて赤字に陥っている企業が多い

基本通りに経営を改善した結果、見事に再建を果たした会社がある。

  • 会議のスタート時間は遅れる
  • 何のケジメもなく会議が始まる
  • 会議の議事録は取らない
  • 出席者は前回の会議で何を決めたかもよくわからずに参加している
  • 朝礼はダラダラと長い

根本原因は社長自身の「危機感のなさ」にあった。

改善策「社長交代」と「経営を基本通りに行う」

  • 会議は5分前集合。
  • ケジメをつけて会議を始め、司会・板書・議事録の役割を分担した。
  • 会議の議事録を取り、6W3Hを明確にした。
  • 次の会議の時にはその結果を厳しくチェック。
  • 工場では5Sを徹底し、各部門の5S評価を毎週行い、不完全な部門を発表して改善を促した。

全社員が一丸となって「基本通りに仕事を行う」ことに取り組んだ結果、ついに1年後には5,000万円の黒字を達成した

全社員で取り組まなければなかなか成果は出ない。要は全社員で真面目「基本通りに仕事をする」ことが重要なのである。

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