うちには払わないのに他社には払っている!

  • 仕事をするために必要最低限の仕入先や外注先、社員の給与などは支払っています。そして、金貸しへの支払いもしていることでしょう。
  • では、なぜあなたには支払いがないのでしょうか?当社の顧問先で、急場の資金繰りを組み立てている時の一場面を見てみましょう。

◇当 社:「A社長、このままの資金繰りでは、今月の給与支払いが厳しいですね・・。払うためには、買掛先の支払い延期交渉をするしかないと思います。」
◆A社長:「そうですよね・・。そうすると大きな支払先は3社程度になるのですが・・。その中でも、Z社は金額も大きいですが、あそこは遅れるとすぐに取引を停止してきます。それに、Z社からしか仕入れができないものもありますから、ちょっと・・。」
◇当 社:「そうすると、あとはB社とC社ですね。そこはいかがですか?」
◆A社長:「B社とC社は付き合いも長いですし、頼み込めばなんとかなるかもしれません。」
◇当 社:「そうですか。ただ、それでも足りませんね。あとは、このD社とE社はどうでしょう?金額もそれなりに大きいですし、理想的にはB社もC社も含めて、支払サイト自体を延ばしてもらえると、今後も随分楽になるんですが・・・。」
◆A社長:「ですね・・。ただ、D社もやはりダメです。あそこの社長は、ともかく支払いにうるさいんです。以前も一日遅れただけで怒鳴り込んでくる始末で・・。E社は、う~ん、この状況ですから仕方ありませんね。なんとかこちらは頼んでみます。」

同じような重要度だとしても、どこかには支払いをして、どこかには支払いをしないということが起こります。

その差が出るひとつの例が、支払にうるさい会社だから、ということです。

さらに、何としてでも払わなければいけない、と思われている支払があります。それが、金貸しへの借入金返済です。

そうすることによって、明らかに将来的に事業継続が困難になっているにもかかわらずです。給与を払わなければ社員が辞め、買掛金の支払いを止めれば仕入れや外注が現金払いになったり、取引停止になったりするかもしれません。
それほどのリスクを背負ってでも、金貸しには払うのです。
何がそこまでさせるのでしょうか。金貸しとあなたの違いは何でしょうか?
ここをしっかりと考えることが、売掛金回収を大きく前進させてくれるはずです。そしてむしろ、未然に未回収を防止できるようになるでしょう。

融資に影響は出る?未回収の売掛金を銀行に突っ込まれた

売掛金が引っ掛かってしまった場合、入ってくるお金が入ってこないですから、当然資金繰りが悪化することになります。 この場合に、考えられる策はいくつもありますが、その中でも銀行に運転資金の融資を申し込むことを考えてみましょう。

「取引先のA社が倒産して2,000万円引っ掛かってしまいました。その分、融資してください。」 こう言って融資を申し込んだとします。その時の銀行員の本音は、「これは、審査はなかなかとおしづらいな・・。」です。

極端な話、いつも運転資金の融資を申し込むときみたいに、わざわざ売掛金が引っ掛かったことを銀行に言わず、融資を申し込む方がまだよいです。

なぜなら、売掛金や受取手形が回収できないものだとわかると、その金額をまるまる、あなたの会社の評価から落とさなくてはいけなくなるからです。

では、売掛金が引っ掛かってしまった事実を言わないで融資を申し込んだらどうなるのでしょう?

実は、すぐにはわからないことが多いのです。
例えば、

  • 自分の銀行の取引先だった
  • その売掛先を調べてみたら、倒産していたことが分かった。
  • 連続した2期の決算書を見て、その売掛先への売掛金金額が全く同額である。

ということになれば気付きます。
つまり、すぐには気付かないかもしれませんが、いずれは銀行にもわかってしまうということです。

このように考えていくと、売掛金が引っ掛かってしまうと・・

  1. 資金繰りが悪化する
  2. 銀行の融資審査に影響が出る
  3. さらに資金繰りが悪化する

という負の循環に陥ってしまう可能性があるということになります。 こうならないためには、引っ掛からない対策と共に、もし売掛金の未回収が出てしまっても、すぐに回収できる仕組みが必要です。

次々に未入金が出てきてきりがない・・

売掛金回収のことを考えている人は、既に起きてしまった状況に対処するためが多いです。 そうして起こった問題にだけ対処している限り、同じことが何度でも繰り返されます。なぜなら、根本的な考え方や仕組みは何も変わっていないからです。
根本的に売掛金の未回収を出さないようにするためポイントは3点あります。

  1. 新規取引先の審査
  2. 既存取引先の管理
  3. 売掛金回収・債権回収

1の新規取引先の審査について

新規取引先の場合、そもそも、その取引先と売掛取引を行っていいのか、後払いでもキチンと支払ってくれるのか、その取引先の信用力から判断して、支払条件はどこまで許せるのか(何ヶ月後までに支払ってもらえればいいのか)、売掛金の限度額はいくらまでにするのか、などの取り決めを行っていると思います。

ここがまず始めのポイントです。
この審査を厳しくするのか、緩くするのか、この調整で売上が上がったり下がったりすると同時に、未回収も比例して増えたり減ったりすることになります。
◇審査厳しい=売上減少=売掛金の未回収減少=安全性高い
◇審査緩い =売上上昇=売掛金の未回収増加=安全性低い

2の既存取引先の管理について

売掛取引が開始された後、継続的に取引を行っていく中で、変化する取引先の信用状態をどのように把握し、売掛金の限度額や支払条件をどのようにコントロールしていくのかということです。

例えば、ある取引先に資金繰り悪化や倒産の噂が出たとします。
この時に、新規取引時に審査した当時の取り決めどおりに取引を継続するのか、リスク回避策として、外部の調査を入れたり、営業マンを確認に出向かせる、さらには、取引額を減らしたり、ストップしたりと条件を変えるのかということです。
ここをキッチリと行うのか、緩くするのか、この調整でコストが上がったり下がったりすると同時に、売掛金回収・債権回収も比例して増えたり減ったりすることになります。
◇管理厳しい=コスト上昇=売掛金の未回収減少=安全性高い
◇管理緩い =コスト減少=売掛金の未回収上昇=安全性低い

3の売掛金回収・債権回収について

売掛金の未回収が発生してしまい、その対処をどうするのか、最悪の場合の売掛金回収をどのように進めていくのか、これが最後の段階です。
ここは、どの場合にはこうするというルールや、それを実行するスピードによって回収率が変化していくことになります。
◇回収アクション早い=売掛金の回収率良い=安全性高い
◇回収アクション遅い=売掛金の回収率悪い=安全性低い

このように考えていくと、売掛金回収・債権回収の段階に至るには、その前に1の新規取引先の審査と2の既存取引先の管理という、2つの段階が必ず踏まれているということがわかると思います。
未回収の売掛金が発生し回収できていないという結果は、「売掛金回収・債権回収の方法」と共に、その前の段階である、「新規取引先の審査」と「既存取引先の管理」にも原因があるということです。

つまり、
根本的に今後の未回収をなくしていこうと考えるのであれば、その前の段階である1の新規取引先の審査、2の既存取引先の管理も含め、3の売掛金回収・債権回収の方法と共に、3つを考え合わせる必要があるのです。

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