「銀行つきあい日記」のすすめ

企業の永遠の存続にとって、一番のカギを握るのが、資金繰り

そして、資金繰りをスムーズにまわしていくことにおいて、重要なのが、銀行からスムーズに融資を受けること。

毎月の利益で生まれた現金で融資返済ができている中小企業なんて、1割もないので、ほとんどの中小企業にとっては、定期的に融資を受けていくことが、資金繰りをずっとスムーズにまわしていくための重要なポイントになります。

融資がパタリと止まりそうな時には、リスケジュール、つまり銀行と交渉して、融資の返済金額を0円近くにまで抑えてもらうことが必要です。
融資が出なくなりそうなことを察知するため、銀行があなたの会社のことをどう考えているのか、常に注意をはらっておかなければなりません。
経営者や、財務経理担当者であるあなたは、常に気にしておかなければなりません。

そこで、私が、中小企業の経営者や財務経理担当者の方が、やっておいた方がよいと思うのは、銀行つきあい日記、つまり、銀行と接触するたびに、次のような記録をとっていくことです。

○月○日○時、○○銀行の担当者○○氏が当社を訪問。当社は資金繰り表によれば3ヶ月後に5百万円の資金不足が発生するため、1~2ヶ月後には最低2千万円の運転資金を受けておきたい、ということを○○氏に伝える。
○○氏は、「弊行は融資を半年前に出しておりますので、まずは他行にあたってみてくれますか」と言われてしまった。今までこのような話をした時には「すぐに稟議をあげて手続きを勧めます」と言ってくれるものだが、スタンスが変わったのか?」

試算表を銀行に提出する重要性

あなたの会社は、銀行に試算表を定期的に提出していますでしょうか。

試算表は:

  • 銀行があなたの会社の業績を知るためには重要な資料となります。
  • ただ銀行から求められてから試算表を提出するより、あなたの会社から銀行に試算表を提出した方が、銀行から見れば、あなたの会社に対する信頼性が高くなるでしょう。
  • 試算表の提出は、3ヶ月に1度はやった方がよいですし、できれば毎月、試算表を提出した方がよいでしょう。

そもそも銀行は、なぜ中小企業への融資に慎重になるのか?
その大きな理由の一つは、企業の情報開示不足、です。

試算表の提出もなく、1年に1回、決算のときにしか、経営数字が分からない会社は、銀行としては融資を出すのがこわいでしょう。
そもそも試算表を作っていない会社は、1年に1回の決算書ができなければ、1年たってみなければ、黒字か赤字かも分からないのです。その間、赤字であれば黒字にする対策をすぐにうたなければならないものを、1年に1回しか業績が分からなければ、そもそもその対策を行うきっかけができないのです。

試算表が毎月できてこない会社は、すぐに、試算表が毎月できてくる体制を作ってください。

また、今まで融資を申し込んだが、だめであった新規の銀行へも、試算表を送っておくのも、融資提案のきっかけ作りとして、よいことでしょう。
銀行は、たえず新規融資先を探しています。融資取引のない企業から試算表が送られてこれば、必ずチェックをし、融資提案ができるかどうかを検討します。また既存の融資がある企業でも、試算表を銀行員が見ることにより、新たな融資提案ができるかどうかを考えます。そのきっかけとして、試算表は大変有効なものです。

融資以外の取引を銀行から言われている

(Q)
メイン1行のみの取引から、メイン1行+2行の3行取引を現在行っております。支払いや振込みはメイン行の当座で、サブ2行は専ら融資のみのお付き合いです。

この状態になって1年半がたちました。最近サブ2行から、積立や振込や支払い等(特に積立)、融資以外のお付き合いもしてほしいと度々言われます。私は会社の財布が2つも3つもあると経理が複雑になるような気がして前向きになれません。
積立も融資を受けている以外の銀行に万が一への備えとしてプールするならともかく、積立しながらそこの銀行で融資を受けるようなことをすると、支払い金利が増えてしまいます。
必要な当座残高以外はなるべく返済し、債務償還年数や流動比率などの指標をなるべくよい数字にしたいと思っております。 しかし銀行の人には「融資も預金の残高もみなさんお付き合いしてくれてますよ」と当然のように言われます。お付き合いも必要だとは思いますが、何より決算書の数字が大切だと思っておりますので・・・・
お付き合いが薄いと融資姿勢に悪影響があるのでしょうか?

(A)
銀行は、取引企業に対し、融資の取引だけではなく、「総合的」な取引を求めます。例えば、積立や振込など、いろいろな取引を求めてくるでしょう。

また、銀行の融資稟議では、その企業とどのような取引を行っているかは必ず記載されています。預金の平均残高が高かったり、振込などにより多くの手数料が銀行に落ちていれば、銀行の考え方としては、トータルで考えてその企業とつきあうメリットが大きい、となります。

ちなみに融資の稟議書では「当社は融資の他、振込、外為取引などで月5万円以上の手数料確保もできている。、さらなる取引深耕をはかりたく、本件融資したい。」というような書き方をします。銀行と融資だけではなく、いろいろな取引を行っておくことは、それだけ融資審査において有利に働く、ということです。
こう考えると、決算書の数字があまり悪くならない範囲で、融資以外の取引もしておいた方がよいでしょう。

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