やってはいけない融資のノウハウ2

あなたの会社が融資の借換えを行うにあたって注意すべきこと

融資を受けている企業は、自己査定といって銀行が行う自行の貸付金(企業から見たら借入金)資産の査定作業の中で、1社1社、債務者区分をつけられています。

区分は
正常先
要注意先(要注意先の中の一般の)
要管理先(要注意先の中の)
破綻懸念先
実質破綻先
破綻先
となります。要注意先には、一般の要注意先と、要管理先があります。

債務者区分が下になる融資先に対しての貸付ほど、銀行としては貸倒引当金を多く積まなければならなくなり、そのように区分がつけられた企業は、融資を受けることが困難となっていきます。
一般の要注意先であれば融資を受けるのに支障が出てきます。要管理先以下になると基本的に融資は受けられなくなります。
そのため、自分の会社が、一般の要注意先以下にならないように、気をつけなければなりません。せめて、要管理先以下にはならないことです。

要管理先となる要件:
3カ月以上延滞となっている融資があるか、「貸出条件緩和債権」があるか、これらいずれか一つが当てはまることです。

「貸出条件緩和債権」とは:
以下の4つのいずれかの定義が当てはまる融資のことを言います。ただし、そうなった理由が、企業の信用力の悪化によるものに限ります。

  1. 融資期間中、金利を引き下げ・棚上げ・減額・免除したもの。
  2. 当初の最終返済期限を延長したもの。
  3. 分割返済していたものを、返済猶予・ステップアップ返済・期日しわ寄せ返済・期日一括返済へ変更したもの。
  4. 正常な運転資金として算定される額以上に借入した運転資金の返済期日に、返済財源がなく、継続、延期したもの。 (正常な運転資金・・・売掛金+受取手形+棚卸資産-買掛金-支払手形)

ここでのポイントは、企業の信用力の悪化により、融資がこのような状態になったかどうか、です。 例えば、リスケジュール。リスケジュールとは、毎月の返済金額を、銀行と交渉して少なくしてもらったり、一括返済の期日に、その期日を延ばしてもらったり分割返済にしてもらうなど、融資の返済条件を、企業にとって楽な方向に変更することを言います。

リスケジュールは、企業側から銀行に交渉しますが、この場合、企業の資金繰りが厳しいから交渉を行うので、企業の信用力の悪化により行われるとみなされることになり、リスケジュールを行うとその企業の債務者区分は要管理先以下になってしまいます。

これが、リスケジュールを行っていると融資が受けられない理由です。

また、リスケジュールが、単なる毎月返済額を少なくするという形ではなく、借換えという形をとっても、それがリスケジュールとみなされることもあります。

例えば、次のようなケースです。
(例)
既存の長期借入が2億円残っている状態で年間5,000万の返済しているという前提で、設備投資のために新たに4億円の融資が必要だが、既存の2億円と4億円を足して6億円の融資額で、年間3,000万の20年払いにしてほしいと銀行に依頼した場合。
このケースでは、銀行が「企業の信用力の悪化」により借換えの手段を使って返済額を圧縮した、と判断したら、貸出条件緩和債権になってしまいかねません。

要は、このような借換えを行う背景がどうであるか、です。
そのため、もしあなたの会社がこれから、返済額が緩和されるような借換えを行う場合、銀行としてはその借換えをどう見るか、銀行と事前に話し合っておくべきです。

銀行との返済交渉の質問

<質問>

リスケジュールを取引銀行に約定の数日前に申し入れましたが、必要書類の作成に幾日か要するのとその月分の返済の資金繰りも間に合わない現状です。

担当の融資係には延滞のままだと話ができないかもしれないと言われ、また、月中での延滞はまだしも月超えはしない方が会社の将来のためですよとも言われました。何となく言ってる意味合いは理解も出来るのですが、具体的にはどのようなことを指しているのでしょうか?

  1. 延滞のままだと話ができないと言うのは銀行がですか保証協会ですか?
  2. 月中の延滞と月超えの延滞の違いは信用情報センターに登録されるからですか?また、登録されるとしたら月を超えた時点ですぐにですか?後、月超えの延滞を1度してしまったら将来どのようなデメリットがあるのですか?

<回答>

銀行としては、返済を1カ月分でも進めてもらうに越したことはないため、企業に返済を促すことを第一の目的として、「延滞のままだと話ができない」ということをよく言ってきますが

あなたの会社で最も重要なことは、資金繰りをまわすことであって銀行の返済を進めることではないですよね?銀行の言うことはうのみにしないことです。1カ月分でも返済をしないことにより、あなたの会社はその分、資金を確保でき、それは会社建て直しのための重要な資金になるはずです。

1について:
保証協会保証付融資はあくまで銀行が資金を出している融資ですので銀行と交渉することになりますが、銀行が「延滞のままだと話ができない」と言ってブロックをかけていると考えてください。

2について:
企業の融資は、信用情報センターには関係ありません。信用情報センターは、「個人」での融資の情報を取り扱っているからです。
だから延滞が月中であろうと月超えであろうと関係ありません。また延滞を行うと、その記録は、信用情報センターは関係なくても、その銀行や、保証協会に残ります。延滞が数日続くと、その記録が残ってしまうので、しばらくはその銀行からの融資や、保証協会の保証を付けた融資が受けにくくなるでしょう。

できる会社は、今後1年分の資金繰り表を銀行に見せている

あなたの会社は、資金繰り表を作っていますか?

銀行から融資を受けている会社であれば、資金繰り表を作っておくのは、資金繰り対策において、基本中の基本です。

資金繰り表
実績資金繰り表・・・過去の資金繰り
予定資金繰り表・・・今後の資金繰り

資金繰り表を作っているとして、銀行との関係がうまくいっている企業は、その資金繰り表を毎月、最低でも3カ月に1回は提出しているものです。
融資を受けている企業であれば、1カ月に1回は、銀行と接触を持つべきです。
接触を持つには、試算表を提出したい、資金繰り表を提出したい、という理由で十分です。

銀行に資金繰り表を提出する目的は、企業の資金繰り状況を銀行に報告するとともに、資金繰り表にて、今後の融資を受けたい時期、融資を受けたい金額を事前に銀行に伝えておくという目的があります。

ぎりぎりでの融資申込みがなくなります。だいたい、融資を受けたい月の3カ月以上前から、資金繰り表を使って融資の話をしておくイメージでしょうか。

企業によっては、今後の1年の融資希望として、1年先の融資の話をしているところもありますが、そこまで資金繰り表に基づいた銀行との話ができるのは、とても理想的なことです。
このように、余裕を持って融資の話ができると、企業としては余裕を持って資金繰り対策ができるし、銀行もじっくりと融資を検討しやすいので、これが銀行との関係を円滑にできることにつながっていきます。

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